不況下のスペインでも、失業などの経済的困窮から親の離婚増加に連れて児童虐待が増加傾向にあることが社会問題となっているようですが、残念なことに卑劣な親からの虐待被害に遭っている子供達が誰かに助けを求めようにもなかなか出来ないでいるのが実情です。
そこで最近、スペインの子供支援団体「エアナール財団」(ANAR Foundation)は、屋外で親の注意を引くことなく、虐待される児童からしか見えない誠にクレバーな広告『ONLY FOR CHILDREN』を設置したキャンペーンを行っているそうです。
この広告は、見る角度で絵柄の変化や立体感を表現できる「レンチキュラー」と呼ばれる印刷プロセスを活用しているそうで、もし親子が一緒に歩いていたとしても親の目には一般の広告、しかし、子供の目には虐待から救いを求めるための広告が表示される仕組みとなっています。
大人から見た場合:平均身長175センチ
子供から見た場合:10歳未満の平均身長135センチ
「もし誰かが貴方を傷つけているのならば、われわれに電話すれば貴方を助けます」のメッセージと横に電話番号116 111が表示されます。
大人が子供の背の高さにしゃがんでいたらとつい余計な心配もしまいますが、それでも、この広告から一人でも多くの虐待児童を助けることが出来ると思えば嬉しい限りです。それにしても、ニュースなどで児童虐待の悲惨な事件を報道されると心が痛んでしまうのですが、親の身勝手で子供が犠牲となるなんて本当にもって許せない話だ。
via petapixel.com